このシステムについて
Accessマクロだけで構築した販売・生産管理システムの導入背景と稼働環境を公開します。
導入モデル企業
企業概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 業種 | ゴム製品製造・付加価値加工(二次加工・組立) |
| 工程 | 自社工場製造+内職・外注管理が介在する多層構造 |
| 規模 | 従業員80名前後(事務10名/現場70名) |
| ITスキル | 事務方(Excel上級)〜現場作業員(最小限入力)まで幅広い層が利用 |
システム刷新の背景
以前のシステムでは解決できなかった4つの課題をAccessの独自設計で解決しました。
解決した課題
| 課題 | 内容 |
|---|---|
| Excel管理の限界 | データ量の増大により動作・共有が不安定になっていた |
| 材料在庫の不一致 | 完成品管理はできても材料在庫の正確な把握が困難だった |
| 予定と実績の乖離 | 手書き・別表で管理していた生産管理をシステム内に統合 |
| パッケージの不適合 | 既製品では社内独自の運用ルールや現場の使い勝手を再現できなかった |
設計思想
開発を主導した管理者が現場出身であるからこそ実現できた、徹底的な実戦仕様です。
3つの方針
| 方針 | 内容 |
|---|---|
| 事務作業の極小化 | 日報入力など現場の事務負担を極限まで簡素化 |
| リアルタイム性の追求 | 受発注管理による材料調達の遅れ防止と迅速な進捗収集 |
| 地味に便利の具現化 | 現場の動きとデータの流れを一致させた迷わず・間違えないUI |
稼働環境
大規模な投資をせずとも、Accessの標準機能と適切な設計で20台規模の安定運用は十分に可能です。
ソフトウェア・運用構成
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| プラットフォーム | Microsoft 365(64bit) |
| 運用形態 | フロントエンド・バックエンド分割運用 |
| クライアント環境 | 管理者以外はAccess Runtimeを使用(ライセンスコスト削減) |
| データ管理 | SQL Server不使用/社内LAN(データサーバー)に格納 |
ハードウェア・負荷状況
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| クライアントPC | Windows 11/メモリ16GB(以前は8GB混在でも稼働実績あり) |
| 同時接続規模 | 最大24台(常時15〜18台がフル稼働) |
| データ蓄積量 | 約800MB(過去8〜10年分) |
| 日次処理量 | 外部入出力 約100件/内部日報登録 約200件 |
地味に便利な実戦機能
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| 外部連携 | 顧客からの受注データを自動インポートして手入力を排除 |
| データ活用 | 蓄積データをExcel形式で一括出力して社内分析に二次利用 |
| 帳票出力 | 現場専用用紙への精密印字 |
| 将来性 | バーコード・QRコード印字機能を標準搭載(スキャン運用への拡張性あり) |
まとめ
80名・最大24台同時接続の製造業で実際に稼働するシステムの導入背景と環境をまとめました。高価なソフトや専門知識がなくても、Accessの標準機能と設計の工夫だけで現場に根付いたシステムは作れます。このサイトではその設計と実装をそのまま公開しています。
本サイトではマクロを用いた構築手順を中心に紹介していますが、決してマクロを唯一の正解として推奨しているわけではありません。VBAが扱える環境であれば、より多彩で柔軟なプログラムが組めるVBAでの構築をむしろ推奨したいと考えています。
ここでマクロという選択肢を提示しているのは、VBAにハードルを感じている方への「もう一つの入り口」として、また将来的な後継者への引き継ぎ負荷を抑えるという実務上のメリットを考慮してのことです。設計の考え方の一つとして、状況に合わせて活用してください。